事務所ブログ

2014年3月 3日 月曜日

遺産の持ち出し

今日は遺産分割に関する問題をお話します。

遺産分割では,まずは任意に話し合いを行うことになりますが,相続人間で遺産分割協議が不調に終わると,通常,裁判所に遺産分割調停が申立てられることになります。

遺産分割では沢山の問題が扱われますが,よく争われるのが,使途不明金に関する問題です。

亡くなった方(「被相続人」といいます。)が死亡する前か後で,相続人の一部の者によって預金口座から多額のお金が払い戻されていることがあります。
これがいわゆる使途不明金に関する問題で,通常,払い戻し行為は預金口座の取引履歴を見てはじめて発覚することが多く,遺産分割でもめることの多い問題といえます。

当然,払い戻しを行っていない相続人は,払い戻されたお金は遺産に戻せと主張しますが,これを素直に認めるケースは少ないと言ってよいでしょう。

遺産に戻せと主張する側の問題点としては,まず立証の問題が挙げられます。
つまり,多くのケースで遺産に戻せと主張する側は,被相続人の生前,被相続人の通帳を管理してないことが多く,誰が,いつ,何の理由で払い戻しを行ったか立証することが難しいという問題があります。

次に,手続選択の問題が挙げられます。
これはどういうことかというと,本来,使途不明金の問題は遺産分割調停で扱う事柄ではないと考えられています。
というのも,遺産分割の対象となる遺産は,「相続開始時に存在し,かつ分割時にも存在するもの」と定義付けられているからです。

もちろん,払い戻した側が払い戻しの事実を認め,任意に遺産に戻すことを認めてくれれば,それを前提に調停は進みます。しかし,そういったケースは少ないと言っていいでしょう。

結局,調停での話し合いが難航する場合,裁判所から,多くのケースで,「その問題は民事訴訟(損害賠償請求もしくは不当利得返還請求)でやって下さい。」と言われ,調停のテーマから外されてしまうことがあるのです。

そうなると,一体先に民事訴訟を起こすべき事案なのか,調停申立てでいいのか,採るべき手続の選択に迷われることになります。

一番不経済なのは,民事訴訟で対応すべき案件であるにもかかわらず,遺産分割調停を申立てたが,結局まとまらずに調停を取り下げるなどして,改めて民事訴訟を提起することになる場合です。

大宮桜木町法律事務所では,使途不明金の問題について,使途不明金の返還を主張する側,争う側の双方の経験を積んできた弁護士が対応いたします。

また,手続選択についても,法律構成,事実の裏付け及び民事訴訟での勝訴の見込みなどをしっかりと吟味し,慎重に対応させていただきます。

弁護士小川武士


投稿者 大宮桜木町法律事務所

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