事務所ブログ

2014年4月 8日 火曜日

成年後見のご利用


 高齢化社会に伴い、最近、高齢者の方のご親族から以下のようなご相談を受けることが増えております。

① 一人暮らしの母親(父親)は一定の財産を保有しているが、最近、母親(父親)にオレオレ詐欺や悪質な取引の勧誘電話が多く、おかしな契約を締結させられないか心配だ。

② 母親(父親)には特に財産はないものの、本人では施設に入れる契約等ができず困っている。

③ 遺産分割協議や調停を行うにあたって、高齢の母親(父親)が相続人になっているが、このままだと遺産分割協議や遺産分割調停の申し立てができず、遺産分割を進めることができない。

④ 母親(父親)が認知症になったが、事実上母親(父親)の財産を管理している兄弟が個人的な目的で多額の金銭を引き出している。

 民法は、このような場合、本人の判断能力に応じて、成年後見、保佐及び補助の制度を設けております(民法7条~19条)。以下、成年後見を例にしてご説明します。

 まず、手続面ですが、本人のご親族等が裁判所に申し立てを行い、申立ての後、裁判所で調査官や参与員と面接を行っていただくことになります。

 その上で、裁判所が後見開始の審判を出し、後見人が選任されることになります。後見人は、基本的には本人が死亡するまで業務を行うことになります。

 後見人は、ご親族や弁護士等、申し立て時に予め候補者を挙げることもできます。
 その場合、裁判所は候補者の適格性を判断した上で、後見人を選任することになります。

 選任された当該後見人は、裁判所の監督のもと、財産管理を中心に後見業務を行っていきます。

 次に効果の面ですが、①の悪質取引に巻き込まれてしまった場合、成年後見人は、本人の代理人として契約の無効を主張したり、事後的に契約を取り消したりすることができます。

 ②の場合、成年後見人が代理人となって施設との間で契約を締結することができます。

 ③の場合、成年後見人が代理人となって、遺産分割協議に参加したり、調停の申立人、相手方となることができます(つまり、遺産分割を進めることが可能となります。)。

 ④の場合、後見人が本人の財産を管理しますので、親族による違法な引き出し行為を未然に防止することが可能となります。
 
  弁護士の関わり方としては、後見業務が中心ですが、②の場合のように、親族の方が後見人になる場合で、申立ての代理のみをお引き受けすることも可能です。

 弁護士小川武士


投稿者 大宮桜木町法律事務所

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