事務所ブログ

2014年4月28日 月曜日

弁護士費用の請求


 
 今日は自己が負担した弁護士費用を相手方に請求できるかについてお話しします。

 たとえば、弁護士に損害賠償請求事件を依頼した場合、弁護士費用がかかりますが、相手方の違法行為がなければそのような弁護士費用を負担することはなく、弁護費用も相手方が原因で生じた損害といえそうです。

 それでは、自己が負担した弁護士費用を加算して相手方に請求することができるでしょうか。

 この点について、不法行為に基づく損害賠償請求の訴訟を起こした場合には、弁護士費用として認容額の10パーセント程度が自己と相当因果関係のある損害として認められることがあります。

 たとえば、交通事故事件や不貞行為を理由とする慰謝料請求事件で100万円の損害賠償請求をする場合、これに弁護士費用を加えた110万円で訴訟提起することがあります(この場合、10万円分印紙代が加算されることに注意が必要です。)。

 ここで、認容額の10パーセントとあるように、判決に至った際に認められるということですので、①交渉段階で弁護士費用を加算して請求することは通常なく、②訴訟を提起しても、和解による解決の場合は弁護士費用を入れた金額で和解するというケースは少ないといえます。
 
 また、弁護士費用は、事故(違法行為)と相当因果関係のある損害であることが必要ですので、不法行為事件以外の貸金返還請求や建物明渡請求のような事案では、原則として弁護士費用を相手方に求めることはできません。
 
 それでは、交通事故事件でよくあるように、弁護士費用等補償特約に加入している場合はどうでしょうか。この場合、弁護士費用は加入している保険会社から支出されますので、そもそも損害といえるか問題となります。
 
 この点について、地裁事例ですが、「このことにより加害者が弁護士費用の賠償義務を免れるものではない」とした裁判例があります(名古屋地判平22.2.19 交民43・1・217)。

 弁護士小川武士 

投稿者 大宮桜木町法律事務所

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