事務所ブログ

2014年5月12日 月曜日

遺産分割と特別受益

遺産分割においては、遺言書で特別の定めがない限り、遺産は法定相続分に従って分割されていきます。

もっとも、相続人の一人が被相続人死亡前に生計の一部として被相続人から贈与を受けていたような場合、これを全く考慮しないのは公平に反します。

そこで、民法は、このような場合を特別受益とし、贈与を受けた額を遺産に持ち戻させ、相続人間の公平を図る規定を設けています(民法903条)。

たとえば、遺産が1000万円で、相続人の一人が被相続人の生前200万円の贈与を受けていた場合、贈与を受けた相続人の相続分は以下のとおりとなります。
1000万円+200万円÷3-200万円=200万円
他の相続人二人は各400万円となります。

特別受益の一例として学資(大学の学費など)の援助の問題があります。

たとえば、3人兄弟のうち、長男だけが大学の学費等を援助してらっていた場合等が典型例として挙げられます。

学資が特別受益に当たるかについては、実務上、①被相続人の生前の資力、②社会的地位、③他の相続人との関係などを考慮して判断されることになります。

それでは、特別受益でないと主張する側はどういう主張・立証をするのでしょうか。
例えば、①被相続人の生前の資力からすれば学資の負担は微々たる支出であること、②被相続人は経営者、医師など、社会的地位が高かったこと、③学資の代わりに他の相続人が被相続人から援助を受けていること、などの事実を主張していきます。そして、それらを支える証拠を提出します。

上記のような主張立証を行った上で、学資等の負担は親の扶養義務の履行に基づく支出であると主張していくことが多いでしょう。

もちろん、相手方から特別受益であることの立証がない案件はそれも攻め手となり得ます。

なぜならば、いくら主張しても、客観的に立証できなければ審判で事実が認容されにくいからです。

最後に、特別受益を争う側の立場に立った場合、特別受益に該当しそうな案件についてはもう争う手立てはないのでしょうか。
これについては次回のブログでご案内します。

弁護士小川武士


投稿者 大宮桜木町法律事務所

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