事務所ブログ

2014年5月13日 火曜日

遺産分割と持ち戻しの免除

前回遺産分割と特別受益の問題について、学資(大学の学費等)を例に挙げて説明しました。

それでは、生計の資本として贈与を受け、特別受益に該当せざるを得ない場合、それを争う側は他に争う手立てがないのでしょうか。

答えとしては、手立ての余地ありということになります。

すなわち、民法は、特別受益に該当しても、被相続人に持ち戻し免除の意思が認められる場合は、一定の例外を除き遺産への持ち戻しが免除される旨規定しています(民法903条3項)。

もっとも、それを立証できるかという問題が出てきます。といのも、多くのケースで持ち戻し免除の意思を明確にしているケースは多くないからです(いわゆる「死人に口なし」)。

その場合は、遺産への持ち戻しを免除したであろうことを推認させる事実(間接事実といいます。)をできるだけ主張し、それを支える証拠を提出していくことになります。

いずれにしても、贈与をする側としては、遺言書を残さない場合においては特に、亡くなった後の相続争いを少しでも防止するため、持ち戻し免除の意思がある場合はその意思を書面か何かで明確にした方がよいことになります。

なお、特別受益について激しく争われた場合に、裁判所が最終的な落としどころとして持ち戻しの免除を認定するということもあります。

弁護士小川武士


投稿者 大宮桜木町法律事務所

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