事務所ブログ

2014年6月 1日 日曜日

弁護士倫理

 弁護士は、対立する相手方のいる紛争案件について、依頼者の代理人となって依頼者の利益を最大限実現するため活動します。

 したがって、相手方からいかなる利益の供与を受けることもできません。

 なぜならば、依頼者の利益を図るため活動する弁護士が、相手方から利益の供与を受ければ、誰のために活動しているか分からず、職務の公正を害するからです。

 これらの行為は、弁護士法上も禁止されています。

 もっとも、法律及び裁判例上、利益の供与を受けることが禁じられているのは、現に受任して処理している事件とされています。

 したがって、将来受任が予定されている事件や過去に受任して処理を終えた事件は含まれないことになります。

 しかし、私も含め、弁護士倫理上そのような要請もお断りする弁護士が多いかと思います。

  それでは、国選弁護事件で担当した被疑者・被告人の方またはその家族から事件終了時に御礼(茶菓子等)の申し出を受けた場合はどうでしょうか。
 
 確かに、これらの方は事件の相手方ではないですから、一見して職務の公正を害することはなさそうです。
 
 しかし、弁護士法上これらの方から対価を受領することも禁止されています。

 というのも、国選弁護事件では、被疑者・被告人から直接事件を依頼されている訳ではなく(直接依頼を受ける刑事事件を私撰弁護事件といいます。)、裁判所から選任され、活動します。

 そして、費用は、資力のない被疑者・被告人の方のため、国が支出します。
 
 仮に、弁護人がそれとは別に被疑者・被告人の方から対価を受領してしまうと、上記のような国選弁護制度自体の職務の公正が害されてしまいます。

 だから、国選弁護事件においても、対価の受領は禁止されているのです。

 したがって、事件終了時に、茶菓子等の御礼の申し出を受けることがあっても、気持ちだけ受けとり、お返しすることになります。
 事務所にご持参され置いていかれたとしても、郵便で送り返すことになります。

 感謝されるのは大変うれしく、かえって失礼なように思うこともありますが、大宮桜木町法律事務所では、上記の例に限らず、弁護士倫理については厳しく考えるスタンスで日々職務に従事しております。

弁護士小川武士


投稿者 大宮桜木町法律事務所

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