事務所ブログ

2014年6月 2日 月曜日

住宅ローンと破産手続

 最近、住宅ローンを支払えずに負債整理の相談をされる方が多くみられます。
 住宅ローンを抱えている方はどのように負債を整理していくのでしょうか。

 住宅ローンを借り入れた場合、ほぼ例外なく当該不動産に抵当権が設定されます。

 住宅ローンの不払いが続くと、毎月分割で支払うことができるという利益(これを期限の利益といいます。)が喪失され、一括での請求を求められることになります。

 そればかりでなく、抵当権が実行され、当該不動産は競売にかけられることがあります。

 そうなりますと、居住者は、自宅不動産から退去しなければならないばかりか、自宅が競売にかけられた後も、住宅ローン債務を負い続けることすらあります。

 その場合、負債整理としては、破産申立ての選択をとることが多いと思われます。
 というのも、そもそも支払不能の状態であることが多いでしょうし、失った住宅の残債務を支払い続けるメリットもないからです。

 この場合は、既に不動産は競落されていますので、破産手続において不動産の換価という問題は出てきません。

 なお、上記は、住宅ローンの連帯保証人となった方(たとえば配偶者)も同様に言えることとなります。

 それでは、住宅ローンが支払えなくなって、競売前の場合はどうでしょうか。

 先ほどと同じく既に支払不能の状態であれば、この場合も破産申立てを選択することが考えられます。

 この段階では、あくまで不動産は破産を申立てる方が依然として所有しておりますが、破産申立てをしてしまうと、裁判所から選任された破産管財人が当該不動産の管理処分権を取得することになります。

 破産管財人は、競売ではなく第三者への任意売却を試み、債権者への配当原資となる財団を形成すべく努めることになります。

 というのも、破産管財人としては、競売にかけられてしまいますと債権者に配当する原資となる財団を形成できませんので、任意売却を成就させ、売買代金のうち一定額を財団に組み入れてもらうべく活動することになるのです。

 つまり、競売後と異なり、破産手続きにおいて不動産の換価の問題が生じることになるわけです。

 一方、抵当権を実行する側からも任意売却には一定のメリットがあります。
 すなわち、担保権を実行して、競売によって安く競落されるより、破産管財人と第三者の相対での売買の成立に協力した方が高く売却できることがあり、競売で取得する金額よりも取得できる金額が増えることになるからです。

 売買契約は破産者管財人と買主の間で行います。売買契約成立に至るまでには、抵当権者の同意、裁判所の許可が必要となります。

 任意売却が成立しますと、金融機関で決済がなされ、売買代金は最終的に抵当権者が取得することになります。

 このとき司法書士が同席し、所有権移転登記の手続きも済ませます。

 一方、売買代金から諸費用を控除した金員のうち、多くの場合3パーセントから5パーセント程度が破産管財人の財団に組み入れられます。

弁護士小川武士 


投稿者 大宮桜木町法律事務所

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