事務所ブログ

2014年6月 8日 日曜日

不動産・住宅ローンと財産分与

 結婚して自宅不動産を購入した夫婦が不和になり、離婚することになった場合、自宅不動産の財産分与でもめるケースが見られます。

 自宅不動産が夫の登記名義となって、夫が住宅ローンの債務者となっている場合や、登記名義が夫婦共有となっている場合、妻が住宅ローンの連帯保証人となっている場合など、様々なケースが考えられ、それぞれによって処理すべき法律関係が異なります。

 まず、財産分与は、基本的に2分の1ルールが妥当しますので、自宅の登記名義が一方配偶者のみであったとしても、他方配偶者に自宅不動産につき、実質的財産分与請求権が認められます。

 しかし、住宅を物理的に二つに切ることはできませんし、そもそも、オーバーローン状態の自宅不動産はむしろ負の財産ともいえ、住宅ローンを誰が負担するかなど事は単純ではありません。

 以下、場合を分けて簡単に説明します。

1 住宅ローンを既に完済し、抵当権がはずれた自宅不動産を所有しているとき

 この場合は、自宅不動産そのものが財産分与の対象となります。
 処理としては、①一方が自宅不動産を取得した上で、他方に代償金を支払う方法や、②自宅不動産を売却して双方で折半する方法が考えられます。

2 ローンが残っており、抵当権がついている場合で、ローンの額よりも自宅不動産の価値が上回る場合

 この場合は、簡単にいうと、自宅不動産の価値から残ローンを除いた残額が財産分与の対象となり、自宅不動産取得者がローンを支払っていくことになります。

3 住宅ローンが残っており、抵当権がついている場合で、ローンの額の方が自宅不動産の価値を上回る場合

 いわゆるオーバーローンの状態であり、自宅不動産は財産分与の対象とはならず、したがって、自宅不動産について財産分与請求権はないと考えられています。

 財産分与の対象とはならないといっても、離婚後誰が自宅不動産での居住を続けるのか、住宅ローンをどのように負担していくかなど別途調整が必要となります。

 住宅ローンが残っている1,2のケースで、登記名義人でない配偶者が自宅不動産の取得を希望する場合には、抵当権者との協議も必要となります。

 というのも、住宅ローンを設定する場合、多くの金融機関は、自宅不動産を金融機関の承諾なく譲渡することはできないという約款を設けているからです。

 一方配偶者への財産分与を原因とする登記名義の移転も形式的には譲渡に該当すると考えられますので、この点について金融機関との間で協議が必要となることがあります。

 いずれにしても、自宅をお持ちの方で離婚をお考えの方は、まずは法務局で自宅不動産の登記をとりましょう。
 その上で、弁護士にご相談されるのがよろしいかと思います。

弁護士小川武士

投稿者 大宮桜木町法律事務所

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