事務所ブログ

2014年8月22日 金曜日

裁判外紛争処理制度(ADR)の利用

争いの解決というと当事者間の交渉や裁判を思い浮かべることが多いと思います。

しかしながら、争いの解決の場として、裁判所を通さずに第三者を入れて紛争を処理する制度があります。

共通のメリットとして、公平な第三者が入って解決に向けた和解案を出してくれること、裁判より迅速な解決が図られること、手数料が低廉であることなどが挙げられます。

以下、代表的な制度を例に挙げます。

交通事故
 交通事故の場合は、交通事故紛争処理センターの利用が考えられます。
 交通事故に精通した嘱託弁護士が間に入り、公平な第三者の立場からあっせん案を提示してくれます。
 メリットとしては、裁判とは異なり必ずしも厳格な立証は求められないこと、自賠責基準や保険会社の任意基準ではなく、裁判基準で損害の算定をしてくれることなどが挙げられます。

 また、あっせんが不調に終わり、結論を示す審査手続に回った場合、被害者側は裁定に拘束されないのに対し、被害者側が裁定に同意した場合は、相手方である保険会社等は裁定を尊重することになっていますので、和解が成立します。

労働事件
 労働局へのあっせん申請の利用が考えられます。
 労働問題に精通した弁護士が間に入り、公平な第三者の立場から解決に向けた協議をしてくれます。
 メリットとしては、使用者側にとって、統計的に労働審判や裁判より低い解決金での解決が期待できる点などが挙げられます。

公害事件
 総務省の公害等紛争調整委員会の責任裁定の申請が考えられます。
 こちらは、専門的な知見を要する公害事件について、専門的な分析を行い、委員会が一定の裁定(判断)を示します。手続の中で和解の協議も行われ、場合によっては調停に切り替わることもあります。

原発事故被災者の方の損害賠償請求
 原子力損害賠償紛争解決センターへの申立が考えられます。
 仲介委員が間に入り(実際に間に入るのは弁護士である調査官)、双方の主張立証をもとに、一定の和解案を出してくれます。
 手数料は無料です。
 
その他
 各弁護士会にもADRが設けられています。

 これら裁判外紛争処理制度を利用する場合でも、弁護士が当事者の一方の代理人として活動することがあります。

 ここで大事なことは、ご相談者が直面している案件について、いかなる手続を利用するのがベストかを見極めることだと思います。

 裁判外紛争処理制度の利用を検討されている場合には、手続の選択を含め、大宮桜木町法律事務所までご相談下さい。

 弁護士小川武士

投稿者 大宮桜木町法律事務所

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