事務所ブログ

2015年1月29日 木曜日

使用貸借 4 内縁関係のからむ使用貸借

相続以外の場合でも,親族間で使用貸借の認定が争われるケースがあります。
今回は,内縁関係がからむ使用貸借問題を取り上げます。

内縁の妻は相続権がありません。したがって,内縁の夫が死亡しても,内縁の妻は少なくとも内縁の夫名義の不動産を相続することができません。

他方で,内縁関係の実態は夫婦と同様ですし,むしろ内縁の妻は内縁の夫とともに居住する夫名義の自宅で家業を手伝うなどといった事情があったとします。

そのような場合,内縁の妻が,内縁の夫の相続人から居住不動産の明渡請求を受けた場合,どうなるのでしょうか。

ここで再び黙示の使用貸借が認定される余地があります。

この点について最高裁の有名な判例があり,以下のように判示しています。

「内縁の夫婦がその共有する不動産を居住又は共同事業のために共同で使用してきたときは,特段の事情のない限り,両者の間において,その一方が死亡した後は他方が右不動産を単独で使用する旨の合意が成立していたものと推認するのが相当である。」

「けだし(なぜならば,),右のような両者の関係及び共有不動産の使用状況からすると,一方が死亡した場合に残された内縁の配偶者に共有不動産の全面的な使用権を与えて従前と同一の目的,態様の不動産の無償使用を継続させることが両者の通常の意思に合致するといえるからである。」

したがって,先に挙げた事例の場合も,不動産が被相続人である内縁の夫と内縁の妻の共有であれば,上記判例を根拠に使用貸借を認定してもらえる余地があります。

他方,内縁の妻に共有持分がない場合は,この判例の射程は及ばず(この判例をそのまま根拠とすることはできず),使用貸借が認められるためには,さらなる法律構成,事実の確認が必要となるでしょう。

大宮桜木町法律事務所 弁護士小川武士
電話 048-783-3523
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投稿者 大宮桜木町法律事務所

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