事務所ブログ

2015年2月 5日 木曜日

使用貸借9 「使用及び収益をするのに足りる期間の経過」とは

使用目的は定めたが返還時期は定めなかった場合,使用及び収益を終わる前であっても,「使用及び収益をするのに足りる期間を経過したとき」,貸主は,直ちに借用物の返還請求をすることができます(民法597条2項但書)。

それでは,597条2項但書の「使用及び収益をするのに足りる期間を経過したとき」はどのような意味でしょうか。単に長期間経過すればよいのでしょうか。

この点,最高裁は,①単に経過した年月のみにとらわれて判断することなく,これと合わせて,②借用物が無償で貸借されるに至った特殊な事情,③その後の当事者間の人的なつながり,④借主の本件土地使用の目的,方法,程度,⑤貸主の本件土地の使用を必要とする緊要度など双方の諸事情をも比較衡量して判断すべきと判示しております。

裁判で「使用及び収益をするのに足りる期間を経過」の有無が争われた場合,貸主,借主側とも,上記判断基準に従って,有利な事実を主張,立証していくことになります。

特に,貸主側に相続が絡み紛糾している場合,貸主側の代理人としては,③の人的なつながりの消滅,その後の相続人間の争いなどを全面に押し出していくことになるでしょう。

大宮桜木町法律事務所 弁護士小川武士
電話 048-783-3523
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投稿者 大宮桜木町法律事務所

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