事務所ブログ

2015年11月24日 火曜日

残すなら自筆証書遺言より公正証書遺言? 斜線の引かれた遺言書



先日,自筆証書遺言の破棄に関する最高裁の判例が出ました。

この事件で,被相続人は,亡くなる前に,「罫線の印刷された1枚の用紙に遺産の大半を相続人の一人に残すという自筆証書遺言」を作成していました。

ところが,亡くなった後に発見された遺言書には,「文面全体の左上から右下にかけて赤色のボールペンで1本の斜線」が引かれていました。

ところで,民法は「遺言者が故意に遺言書を破棄したときは,その破棄した部分については遺言書を撤回したものとみなす。~後段省略~」と規定しています。

そこで,今回の斜線が「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するか争われたのです。

結論として,最高裁は「故意に遺言書を破棄したとき」に該当すると判断しました。
その結果,今回の遺言書は撤回されたものとみなされることになります。

今回この裁判例をブログに挙げたのは,理論的な点ではありません。
自筆証書遺言は後で無効となったり,撤回されたりするリスクが高いということです

今回の被相続人が亡くなったのは平成14年5月ですので,詳しい事情は分かりませんが,被相続人が亡くなられてから遺言書の有効性について決着がつくまで,13年もの歳月が流れたことになります。

しかも,遺言書が無効とされた以上,今後は改めて遺産分割協議をしていかなければならないものと思われます。

弁護士の立場としては,このようなケースがある以上,特段の事情のない限り,自筆証書遺言より公正証書遺言をお勧めすることになります。

大宮桜木町法律事務所
弁護士小川武士
電話  048-783-3523
メール info@os-law.jp


投稿者 大宮桜木町法律事務所

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