事務所ブログ

2016年5月25日 水曜日

裁判に勝っても、裁判所が自動的にお金を回収してくれるわけでは、ありません。

貸したお金の返還を求める裁判に勝訴しても,裁判所が自動的にお金を回収してくれるわけではない,というお話をします。

たとえば,Aさんが知人のBさんに200万円を貸して,返済期限が来たのに返してくれない場合を考えてみます。

Aさん → Bさん 200万円貸付

話し合いでは解決しそうもありませんでした。

そこで,裁判所に訴えを起こしました。貸金返還請求訴訟です。

審理の結果,200万円全額の支払いを命じる判決が下りました。これを請求認容判決といいます。
その後,Bさんから控訴がなく,判決が確定しました。


さて,Aさんは裁判に勝訴したのに,Bさんは200万円を払ってくれませんでした。

この場合,裁判所が自動的にBさんの財産を全部探してくれて,200万円を回収してくれるのだ,と思われるかもしれません。
しかし,そのような制度には,なっていません。

Aさんは,Bさんの財産を把握し,裁判所に強制執行の申立てをする必要があります。

たとえば,Bさんの預貯金口座の情報が分かれば預貯金債権を,勤務先が分かれば給料債権を差し押さえたりします。

不動産については,抵当権などの担保権が付いていると余剰価値が無いかもしれませんので,不動産登記の情報等を確認する必要があります。

そのため,訴訟を提起する前に,勝訴判決を得たとき,どのくらい回収可能性があるのかも含めて,検討しておく必要があります。


ちなみに,貸金返還請求の訴訟を提起する際,裁判所には管轄があります。

今回の例のように,200万円の支払いを求める場合,Aさんが,さいたま市在住であれば,さいたま地方裁判所に訴訟提起できます。

Bさんの住所を管轄する裁判所でもかまいませんが,Bさんが遠方に住んでいる場合などは,Aさんにとって負担になるかもしれません。

そのため,Aさんとしては,さいたま地方裁判所で手続するのが負担が少ないでしょう。

今回の例で,もし金額が140万円以下の場合,貸金返還請求の訴訟は,地方裁判所ではなく,簡易裁判所が管轄です。
Aさんが,さいたま市大宮区在住でしたら,大宮簡易裁判所を選んで訴訟提起できます。


大宮桜木町法律事務所
弁護士 山下紘司


投稿者 大宮桜木町法律事務所

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