事務所ブログ

2016年6月10日 金曜日

弁護士と第三者 弁護士は誰のために活動する?


最近,弁護士が第三者として調査に関わる場面が報道等で見受けられます。

通常,弁護士にはご依頼者がいます。弁護士はご依頼者と委任契約を締結し,委任契約で定められた弁護士費用をいただいた上で案件に対応していきます。

弁護士は依頼者の代理人となり,その人の利益のため活動していきます。

弁護士職務基本規程
第21条
 弁護士は,良心に従い,依頼者の権利及び正当な利益を実現するように努める。
第22条
 弁護士は,委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行うものとする。


したがって,通常の弁護士業務の場面を想定すると,弁護士は「第三者」とはいえず,誰かのために活動していきます(もちろん,当事者でないという意味では第三者です。)。

たとえば,遺産分割を想定してみますと,相続人全員の立場で弁護士が調整役として関わることには慎重さが要求されます。当事者間に対立関係の可能性がある場面(これを利益相反といいます。)に関わることはできないからです。

もちろん,弁護士が第三者として関わる場面があります。
たとえば,企業が不祥事を起こし,企業と全く利害関係のない立場で弁護士が外部調査をするようなケースです。
また,裁判所から選任される破産管財人も,破産者,債権者の利益代表者ではありません。
さいたまの破産案件ですと,さいたま地方裁判所が破産管財人を選任することになります。
その意味で破産管財人も弁護士が第三者的に関わる場面といえます。

また,正確でないかも知れませんが,国選弁護人も被告人自身から依頼されるわけではありません。その意味で第三者的側面があるかもしれません(もちろん,国選弁護人は被告人の利益のために活動します。)。
国選弁護人は被告人の請求等に応じ,裁判所が選任します。被告人からは一円でも受領することはできません。

重要なのは,弁護士がどのような立場で当該業務に関わっているかであり,①選任の過程や②誰の立場で関わっているか,③利害関係の有無,④弁護士費用受領の有無などが一定程度透明にならなければ,第三者としての客観性,公平性,信頼を担保することは難しいでしょう。

大宮桜木町法律事務所
弁護士小川武士
電話  048-783-3523
メール info@os-law.jp



投稿者 大宮桜木町法律事務所

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