事務所ブログ

2015年1月30日 金曜日

使用貸借5 同族会社のからむ使用貸借

親族のみで経営する同族会社の中には,代表者の自宅を会社の本店とし,特に意識もせず自宅兼本店所在地として不動産を利用しているケースが見られます。

このようなケースで,先代社長が死亡して,相続や株式,経営権の問題と絡んで不動産トラブルが発生することがあります。

会社と代表者,親族は法律上別人格ですから,会社による不動産の利用が無償であるとすると,会社と所有者との間で,使用貸借の問題が出てくることになります。

少なくとも会社名義の土地建物を使用していない場合には,しっかりとした契約書を作成すること,契約書を作成することに躊躇を覚える場合でも,長期の使用貸借が認められやすい証拠を残しておくことが肝要です。

その意味でもトラブルとなる前に法律の専門家に相談することが有用です。

大宮桜木町法律事務所 弁護士小川武士
電話 048-783-3523
メール info@os-law.jp

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2015年1月29日 木曜日

使用貸借 4 内縁関係のからむ使用貸借

相続以外の場合でも,親族間で使用貸借の認定が争われるケースがあります。
今回は,内縁関係がからむ使用貸借問題を取り上げます。

内縁の妻は相続権がありません。したがって,内縁の夫が死亡しても,内縁の妻は少なくとも内縁の夫名義の不動産を相続することができません。

他方で,内縁関係の実態は夫婦と同様ですし,むしろ内縁の妻は内縁の夫とともに居住する夫名義の自宅で家業を手伝うなどといった事情があったとします。

そのような場合,内縁の妻が,内縁の夫の相続人から居住不動産の明渡請求を受けた場合,どうなるのでしょうか。

ここで再び黙示の使用貸借が認定される余地があります。

この点について最高裁の有名な判例があり,以下のように判示しています。

「内縁の夫婦がその共有する不動産を居住又は共同事業のために共同で使用してきたときは,特段の事情のない限り,両者の間において,その一方が死亡した後は他方が右不動産を単独で使用する旨の合意が成立していたものと推認するのが相当である。」

「けだし(なぜならば,),右のような両者の関係及び共有不動産の使用状況からすると,一方が死亡した場合に残された内縁の配偶者に共有不動産の全面的な使用権を与えて従前と同一の目的,態様の不動産の無償使用を継続させることが両者の通常の意思に合致するといえるからである。」

したがって,先に挙げた事例の場合も,不動産が被相続人である内縁の夫と内縁の妻の共有であれば,上記判例を根拠に使用貸借を認定してもらえる余地があります。

他方,内縁の妻に共有持分がない場合は,この判例の射程は及ばず(この判例をそのまま根拠とすることはできず),使用貸借が認められるためには,さらなる法律構成,事実の確認が必要となるでしょう。

大宮桜木町法律事務所 弁護士小川武士
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2015年1月28日 水曜日

使用貸借3 相続のからむ使用貸借

親族間の土地利用でトラブルになりやすいのが相続がからむ場合です。

たとえば,被相続人名義の土地建物を利用していた借主がいたとして,突然同居していた被相続人が亡くなり,相続が始まったとします。

借主は相続人の一人でしたが,別の共同相続人から,「不動産は更地にして売却してお金で分けたいので,とりあえず退去してほしいと要求された場合」,不動産の利用を正当化する理由はあるでしょうか。

ここで,前回お話しした黙示の使用貸借契約が出てきます。

結論から申し上げますと,この点について最高裁の有名な判例があり,以下のように判示しています。

「共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは,特段の事情のない限り,被相続人と右の相続人との間において,相続開始時を始期とし,遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立していたものと推察される。」

つまり,上記ケースでは,少なくとも遺産分割が決まるまで,被相続人の地位を承継した他の相続人と利用者である相続人との間に,黙示の使用貸借契約が認められることになります。

不動産をどのように分けるかは遺産分割の話となります。

大宮桜木町法律事務所 弁護士小川武士
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2015年1月27日 火曜日

使用貸借2 契約書がなくても使用貸借契約は認められるか?

契約書がなくても使用貸借契約は認められるのでしょうか。

民法は,保証債務について,書面の作成を契約成立の要件としています。したがって,契約書を作成しないと保証契約は成立しません。

しかし,使用貸借契約は,口頭での合意と物の授受で契約が成立することになります。
つまり,契約書の作成は契約成立の要件とはなっておらず,必ずしも契約書の作成は必要ありません。

もっとも,契約書という重要な証拠がないわけですから,契約の有無についてトラブルになることがあります。たとえば,不動産の使用貸借契約を主張する側は,それを認めない当事者から,明け渡しの請求を受けることになります。

その場合,使用貸借契約の成立を主張する当事者は,契約書が作成されなかった経緯,当事者の人的な関係,不動産の占有期間,経緯及び占有状況などの間接事実を積み上げて使用貸借契約の黙示の成立を主張することになります。

このように,契約書がなくても「黙示の契約の成立」が認められる余地があるわけですが,無用な紛争を予防するためにも,不動産の長期利用が想定される場合には,契約書の作成が必要なのはいうまでもありません。

大宮桜木町法律事務所 弁護士小川武士
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2015年1月26日 月曜日

使用貸借1 なぜ親族間の不動産トラブルが生じるのか?

不動産を対象とする契約において,賃貸借契約はなじみがあると思いますが,無償で不動産を使用収益することを内容とする「使用貸借契約」はなじみがないかもしれません。

民法は,使用貸借契約を典型契約の一つとして用意しており,593条から600条まで規定を設けています(対象物は不動産に限りません。)。

無償で物を利用させるわけですから,契約当事者には親族など「特殊な人間関係」が介在することが多く,人間関係が崩れたり,長期の利用が予定されている場合は相続が発生して当事者が入れ替わることでトラブルになることがあります。

また,親族間の使用貸借では,多くのケースで契約書を取り交わしておりません。明確な契約内容が取り決められていないので,後に契約内容(例えば契約の終了原因)についてトラブルが生じることがあります。

以上のような主たる理由から,実務上,使用貸借契約はトラブルが多いのです。

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