事務所ブログ

2015年7月31日 金曜日

自己破産14 破産と家計簿



さいたまの裁判所を始め,多くの裁判所で破産の申立前2か月分の家計簿の提出が求められています。たとえば,6月に破産の申立てをする場合,原則として5月分と4月分の家計簿が必要となります。

家計簿を提出する理由は,無駄な支出がないか検討するとともに,免責決定を受けた後も借金に頼らず生活できるか確認する点にあります。

破産の申立てをしている以上,債権者への支払は一切なくなっているはずですが,そのような状態で収支がマイナスになっているというのは,収支に問題があるのではないかという懸念材料を残します。
生活保護の方も保護費という収入があるわけですから,基本的に支出の方が多いというのは好ましくありません。

このように,一般に思われている以上に家計簿は重要な資料となりますが,家計簿をつけるのが苦手な方がおられるのも事実です。

申立代理人としては,今は簡単に家計簿をつけられるスマートフォンのアプリや簡単に記載できる家計簿の本もあります。そのような媒体を利用して正確につけていただくようお願いしています。

大宮桜木町法律事務所では,破産手続において家計簿をつける必要性をお伝えするとともに,一定の間隔を空けて進展状況をお尋ねするなどの工夫をしています。

大宮桜木町法律事務所
弁護士小川武士
電話  048-783-3523
メール info@os-law.jp

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2015年7月30日 木曜日

自己破産13 破産手続と通帳|借金整理を扱う大宮の弁護士ブログ



破産手続において,預金口座も当然財産となります。しかし,残高の多い少ないではなく取引履歴が重要となります。

さいたまの裁判所を含め,多くの裁判所で申立前1年間の取引履歴の提出が求められています。通常は,一年分の履歴の記載のある通帳の写しを提出します。

今流行のインターネットバンキングの取引履歴も提出が必要となります。

金融機関の都合で,一定期間の取引履歴について合算処理され,その間の履歴が通帳から見れないことがありますが,この場合も別途金融機関からその間の取引履歴を書面で取り寄せる必要があります。

そもそも,何故取引履歴を提出するのでしょうか。

取引利益を見ると,その方の日々の収入支出関係,金銭感覚などが垣間見えます。

ごく一例ですが,毎回の引き出しの度に手数料がかかっていたとします。とすると,特段の事情のない限り,計画的にお金をおろす習慣がないのではないかと推察することも可能です。というのも,低金利の時代に,一年間の利息以上の手数料を毎回支払うのは,経済的理由がない以上賢明とはいえないからです。

また,取引履歴から破産法上の問題点が出てくることもあります。
たとえば,破産の申立てをした後に,取引履歴から漏れている債権者が見つかったり,一部の債権者に送金していた事実が発覚することもあります(特に個人の方に対する返済)。

その他,取引履歴から申告していない保険の保険料が引かれていることが発覚したり,取引履歴から馬券の購入歴などが分かり,そのときに競馬をやっていたことが客観的に分かることもあります。

申立代理人である弁護士の立場からすると,受任後は,上記のような見落としがないよう極力注意するとともに,万が一発覚した場合でも,申立て段階で事情をしっかり裁判所に報告することが肝要であると考えています。

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弁護士小川武士
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2015年7月23日 木曜日

自己破産12 破産と退職金の行方



破産手続では,退職金も,将来的に発生するものについては退職前でも財産として扱われます。

まず,勤めている会社が退職金制度のある会社かどうかを確認することから始まります。
会社にお願いして見込み額を出してもらうこともあれば,会社の退職金規程から自分で算出することもあります。

退職金が発生することになった場合,破産事件においては,さいたまの裁判所を始め,多くの裁判所が以下のような基準で換価の要否を判断します。

まず,支給見込額の8分の1相当額が20万円以下である退職金債権については,換価を要しないとされています。

たとえば,会社の退職金規程を調べた結果,現在の退職金見込み額が160万円だとします。
この場合,160万円の8分の1は20万円ですから,換価の必要はそもそもありません。

次に,支給見込額の8分の1相当額が20万円を超える場合,退職金債権の8分の7は換価を要しないとされています。
裏返して言うと,8分の1相当額については原則として換価の対象になるということです。


たとえば,退職金見込み額が300万円だとします。
この場合,300万円の8分の1は24万円ですから,20万円を超えることになります。
この場合,退職金見込み額の8分の7である276万円は,換価を要しないことになります。しかし,24万円については換価の対象となります。

もっとも,他の財産と併せて,総額が99万円以下の範囲内におさまる場合には,一定の手続を経て,お手元に残せる可能性があります。

なお,企業年金制度を採用している会社にお勤めの方は,差押禁止財産に当たるかなど,規程及び法律をよく確認する必要があります。

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2015年7月22日 水曜日

自己破産11 破産と学資保険の行方



大宮桜木町法律事務所では,埼玉県内,東京都内にお住まいの方の破産に関するご相談をよく受けますが,法律相談のときに注意するよう心がけている財産の一つに学資保険があります。

いうまでもなく,学資保険は子供の将来の学資等のために積み立てる保険ですが,いざ調べてみると100万円を超えるような返戻金額となることがしばしばあります。

破産手続では,子供のために積み立てたからという理由で破産者の財産から外せるわけではありません。

簡単にいうと,他の財産と併せて99万円を超える額については換価の対象となり,解約などして破産管財人が管理する財団に組み入れられることになります。

たとえば,学資保険の解約返戻金額が200万円で,預貯金など他の財産の総額が19万円だとします。
この場合,200万円の学資保険解約金のうち80万円は,19万円の他の財産とともに一定の手続きを経てお手元に残せます(80万円+19万円=99万円)。
しかし,学資保険解約金の残額120万円は換価の対象となります。

換価の対象となった財産は,売却,解約などされて破産財団を構成し,債権者への配当金等に充てられることになります。

学資保険の満期時期,支払不能時期との関係で,破産申立ての時期を検討する必要がある場合もあるでしょう。

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2015年7月21日 火曜日

自己破産10 保険を手元に残せる最後の手段


前々回の記事で破産した場合の保険の行方を記載しました。

それでは,破産者の財産が99万円を超えるなど,保険を解約するのが原則となった場合,何とかして保険をお手元に残す方法はないでしょうか。

この点について,例外的に解約返戻金額と同額を破産者が現金で用意し,破産管財人の管理する財団に入れることで保険契約を継続することもあり得ます。
これを「財団組み入れ」といいます。

つまり,保険の解約返戻金額と同額を負担することで,保険を手元に残すということです。

この場合,保険を残す必要性と現金の用意等について破産管財人に説明し,了承を得る必要があります。勝手に財団組み入れができるわけではありません。

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