離婚

2015年4月30日 木曜日

離婚・財産分与5 財産分与の性質 財産分与は単に財産を2分の1にするだけか

財産分与は,結婚してから夫婦が形成してきた共有財産を,離婚時または離婚後に清算する手続となります。
これを清算的財産分与といいます。

しかし,財産分与は,この清算的財産分与以外にも以下に述べるような事情が考慮されることがあります。

扶養的財産分与
 たとえば,妻が若年の主婦で,幼児の親権者を妻とするが,清算的財産分与の額が不十分であり,離婚後直ちに生計を維持することが困難な場合など

離婚に伴う慰謝料
 離婚に伴い精神的苦痛を受けた場合
 ただし,個別の不法行為に基づく損害賠償請求は財産分与としてではなく,別途の請求手続が必要。
 たとえば,浮気,不倫を理由とした損害賠償請求や暴行(DV)を理由とした損害賠償請求などは財産分与とは別に損害賠償請求手続が必要ということです。

未払い婚姻費用の清算
 たとえば,別居から離婚まで婚姻費用を受け取っていない場合に,財産分与として支払を求めることがあります。
 ただし,実務的には過去の婚姻費用を財産分与として考慮することは消極的といわれています。

この点について,民法は,財産分与の額及び分与方法について,「 ~略~ 家庭裁判所は,当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して,分与をさせるべきかどうか並びにその額及び方法を定める。」と規定しています(民法768条3項)。

代理人弁護士としては,清算的財産分与の側面以外にも,以上のような事情がある場合には,具体的な事実を拾い上げ,清算的財産分与と併せ主張していくことがあります。

大宮桜木町法律事務所 弁護士小川武士
(さいたま市大宮区の弁護士)
電話  048-783-3523
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2015年4月28日 火曜日

離婚・財産分与4 財産分与は調停,訴訟のとちらに馴染むか

調停と裁判の関係ですが,離婚事件は調停前置主義がとられており,調停を経ずに訴訟を提起することはできません。そこで,まず調停についてみていきます。

調停は,原則として男女の調停委員がペアとなり,当事者双方の意見を別々に聞く形で進行していきます。

調停の回数に制限はなく,合意の見込みがないと判断された場合に調停は不成立となります。

調停委員は裁判官ではありません。学識のある民間人であったり,弁護士であったりと様々なバックグランドを持つ方が担当します。

裁判官(正確には審判官)はたくさんの事件を抱えていますので,裁判官が毎回調停に立ち会うことはありません。

それでも,調停が重要な局面になると「評議」が行われ,裁判官と調停委員が別室で協議することがあります。

このように,調停では裁判官が全面に出てきませんので,調停委員の個性や進め方,考え方が大きく影響することになります。

たとえば,調停委員が間に入ることで柔軟な解決が可能となることもありますし,反対に,調停委員が当事者の意見に流され,争点が不明確になり,解決に向けた進展が図れないケースもあります。

この点,財産分与は様々な法律上の論点があり,複雑な案件によっては調停を維持するよりも訴訟の場で争った方が相当なケースもあります。

その場合,代理人の弁護士としては,調停を不成立にしてほしい旨意見を述べることもあります。

結局,財産分与が調停,訴訟のどちらに馴染むかは一概にはいえず,調停でこちらの主張がどの程度認められそうか,どのような法律上の争点があるか,それに対する調停委員の理解はどの程度かなど様々な側面から検討していくことになります。

大宮桜木町法律事務所 弁護士小川武士
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2015年4月26日 日曜日

離婚・財産分与2 夫(妻)の稼いだ給与は特有財産になるか

前回の話を前提とすると,夫(妻)が自己の名義で得た給与は特有財産となり,財産分与の対象とはならないことになりそうです。

しかし,実務では一方の名義で得た給与も夫婦の共有財産と考えられております
その理由は,形式的にみると一方の名義で得た財産であっても,実質的には夫婦が協力して形成した財産といえるからです。

同じく,夫(妻)が自己の名義で不動産を購入し,登記名義人を自己名義とした場合であっても,共有財産と考えられております

このように,一方名義で取得された財産でも,実質的な共有財産として財産分与の対象となる場合があります。

このように,財産分与の対象に当たるか否かを実質的に捉えると,共有財産か特有財産かを断定することは困難といえます(婚姻中は通常共同生活をしていること,結婚中は双方とも離婚を意識することがないこともその原因といえます。)。

そこで,民法は,「夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は,その共有に属するものと推定する。」と定めています(762条2項)。

つまり,特有財産であると主張する側が,特有財産であることを「証明」して推定を覆すことができなければ,特有財産とは認められないことになります。

いずれにしても,財産分与を請求する側,請求された側とも,まずは財産の状況を調査,確認することから始めることになります。

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2015年4月24日 金曜日

離婚・財産分与1 財産分与とは 対象となる財産は

離婚事件は当事者が感情面で対立することが多くありますが,金銭面での対立も多く見られます。
その代表が財産分与といってよいでしょう。

財産分与とは,夫婦が結婚してからともに形成した財産を,原則として2分の1の割合で分ける手続を意味します。
一見簡単そうにみえますが,決してそうではありません。

今回は財産分与の対象(共有財産)について見ていきます。

財産分与の対象には,預貯金,不動産,生命保険及び株式など様々な財産があります。

その例外が以下に述べる二つの特有財産です(民法762条2項)。

まず,結婚前に夫婦の一方が取得した財産は財産分与の対象になりません。
たとえば,結婚して主婦になった妻が,結婚するまで働いて蓄えた定期預金や退職金を挙げることができます。

次に,結婚後に取得した財産であっても,夫婦の一方が自己の名義で取得した財産は財産分与の対象となりません。
たとえば,相続により取得した財産を挙げることができます。

なお,特有財産でも例外的に分与の対象になるケースがありますが,今回は触れません。

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http://www.os-law.jp/divorce/


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2015年4月21日 火曜日

離婚裁判10 判決

 裁判で、和解が成立せずに進んでいくと、最終的には判決が出されます。
 和解による解決と異なり、判決は白か黒か判断すると言われることもありますが、離婚自体は認めるか認めないかのどちらかしかありませんが、財産分与の部分などでは和解ほどではないにしろ生活状況などに応じて柔軟に考えてくれることもあります。
 判決が出されれば終わりかというと、そうとは限りません。和解であれば成立すればそれで確定ですが、判決の場合は、不服がある側は高等裁判所に控訴することができますので、確定するまで時間がかかります。
 判決の送達を受けた日の翌日から2週間は、控訴期間といって、控訴をするかどうか考える期間があり、それが経過することで確定します。
 どちらか又は双方から控訴が出れば、高等裁判所に移って裁判が続けられることになります。

 離婚を認める判決が確定したら、戸籍の届出をする必要があります。
 裁判をしているのだから裁判所が市町村に通知してくれればよさそうなものですが、そういうことはしてくれません。自身で届出をする必要があります。
 注意しなければいけないのは、判決確定から10日以内に届出をしないといけないという点です。
 また、親権をどちらがとったかにかかわらず、親が離婚しても子どもの戸籍はそのままです。父親の戸籍から母親の戸籍に移すには、家庭裁判所に別途、子の氏の変更許可を申し立てる必要があります。

 弁護士 松島俊行

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